事件の背景 〜一つの検察提出証拠より


第一回公判が終わって、検察から新たに出された書証によって、今回の逮捕の背景が明らかになってきました。

書証として出されたのは、二つのブログ記事です。


どちらも、京都市内における自転車撤去を批判する文章です。これらを持ち出して、検察は「同種の行為が横行している」ことを立証したいそうです。

横行という言葉遣いからして、住民を輩(やから)扱いしていることのあらわれですが!! 怒 インターネットで京都市の自転車撤去に反対のブログがあったとして、Aの行為といったい何の関連性があるというのでしょうか。もし仮に上記のブログに書いてある行為が事実であれば、自転車撤去自体が、さまざまな立場の人から非道な行為と思われていたという証拠ではないでしょうか。

さらに問題はこの書証が出された経緯です。

これらは、警察を呼んだ撤去作業員が事情聴取のなかで、自転車撤去反対グループと思しき連中のブログだと言っていたそうです。

つまり、現場で撤去作業をする人たちには、自転車撤去に反対する人たちがいるという認識があったと考えられます*1し、もう一歩進んで言えば自転車撤去に「うるさく」いうひとはこの反撤去グループの一味として、強制力(警察)を使って排除してもいいと考えていたのではないかと考えられもします。

実際、8月26日にピクニックをぶち壊した自転車撤去作業、これに対してAの抗議が始まったとたんに警察を呼び、Aの抗議態様について胸ぐらをつかまれたとか、どつかれたとかという形で話を誇張して、被害届を出しているのです。

Aが言ったとおり、うるさいやつは警察に逮捕させればいいってことかのように。

*1:とはいえ、クリティカル・マスを紹介したブログ記事までも現場の撤去作業員(のみ)が把握しているという事態はそれはそれでどこまで信憑性のある話かというと、少し疑問を持たざるを得ないところもあります。クリティカル・マスでは自転車撤去されているまさにその現場で抗議を行ったわけではないことは明白でしょう。また、現場の撤去作業員は派遣のことも多いようです。中村和雄WEB: 自転車撤去と公契約 現場の作業員ではなく、京都市職員や、京都市と連携を取ることにしていたであろう警察が、Aの行為と、ネット上で主張されている反撤去を関連付けてとらえていたと考えることもできるかもしれません。